稀少で悪臭を放つ死体花が米国の植物園で開花へ
タイタン・アルムとは
タイタン・アルム(学名:Amorphophallus titanum)は、インドネシアのスマトラの熱帯雨林が原産の開花植物です。その巨大なサイズと、腐った肉のような刺激的な臭いで知られています。タイタン・アルムは、平和百合やカラーなどの他の有名な植物を含んでいるサトイモ科に属しています。
希少な開花イベント
タイタン・アルムは、生涯に一度だけ花を咲かせる単為結果の植物です。開花プロセスには数年かかることがあり、この植物が花を咲かせるまで数十年かかることは珍しくありません。開花すると、タイタン・アルムは高さ12フィート、幅6フィートにもなる巨大な花序、つまり花の房を作ります。
腐敗臭
タイタン・アルムの最も際立った特徴の一つは、その臭いです。この植物が花を咲かせると、腐った肉のような悪臭を放ちます。この臭いは、花序の中心茎である植物の仏炎苞から発生します。仏炎苞は小さな花で覆われており、それぞれの花は少量のジメチルトライスルフィドと呼ばれる揮発性化合物を生成します。この化合物が、タイタン・アルムの独特の臭いの原因です。
臭いの目的
タイタン・アルムの臭いには、2つの主な目的があります。1つは、ハエや甲虫などの送粉者を誘き寄せることです。これらの昆虫は腐った肉のような臭いに惹きつけられ、タイタン・アルムの花の受粉を助けます。2つ目は、植物の種子の散布を助けることです。タイタン・アルムの果実が熟すと、地面に落ちて種子を放出します。果実の臭いは、果実を食べ、糞と一緒に種子を散布するネズミやラットなどの動物を誘き寄せます。
タイタン・アルムの花が見られる場所
タイタン・アルムは希少な植物で、原産地以外で見られることはほとんどありません。しかし、タイタン・アルムの栽培に成功した植物園が世界中にいくつかあります。そのような植物園の一つが、ワシントンD.C.にある米国植物園です。米国植物園には、まもなく開花すると見込まれるタイタン・アルムの植物があります。植物園は、人々がタイタン・アルムの開花した姿を見られる機会を提供するために、今後数日間開園時間を延長しました。
ライブストリーミングとタイムラプス映像
米国植物園に直接足を運んでタイタン・アルムを直接見ることのできない人のために、この稀少なイベントを体験できる別の方法があります。植物園はタイタン・アルムのライブストリーミングを提供しており、世界中の人々が開花の様子を見ることができます。また、2007年にクリーブランドメトロパークス動物園で撮影されたタイタン・アルムの開花タイムラプス映像もあります。この映像は、仏炎苞が出現する瞬間から種子が放出されるまでの、開花プロセスの全体像を映し出しています。
デビッド・アッテンボローのタイタン・アルム
有名な博物学者デビッド・アッテンボローも、自身の作品の中でタイタン・アルムを取り上げています。BBCの野生動物ドキュメンタリーシリーズの中で、アッテンボローはタイタン・アルムの大きさとその生存のための独特な適応に感嘆しました。アッテンボローの解説は、この驚くべき植物の生活史に対する魅力的な洞察を提供しています。
タイタン・アルムに関するその他興味深い事実
- タイタン・アルムは世界最大の食虫植物です。
- タイタン・アルムの花序の重さは最大25ポンドにもなります。
- タイタン・アルムの仏炎苞は、華氏90度まで温度が上がることがあります。
- タイタン・アルムの開花はわずか24~48時間しか続きません。
- タイタン・アルムは、ハエや甲虫によって受粉します。
- タイタン・アルムの果実は、ネズミやラットなどの動物に食べられます。
- タイタン・アルムは、平和百合やカラーなどの他の有名な植物を含んでいるサトイモ科に属しています。