稀少かつ古代の韓国仏教の傑作が公開
何世紀にもわたる至宝
高麗王朝(918~1392年)時代の貴重な韓国仏教彫刻が、ワシントンD.C.のアーサー・M・サックラー・ギャラリーで展示されています。慈悲の菩薩である観音のこの見事な金箔を施した木像は、韓国で現存する最古のこの種の彫刻です。
慈悲深い菩薩
菩薩とは、人類を助けるために物質世界にとどまることを選んだ悟りを開いた存在のことです。観音は、サンスクリット語ではアヴァローキテーシュヴァラとしても知られており、東アジアで最も人気のある菩薩です。人々はよく観音に、慈しみ、優しさ、そして保護を求めます。
卓越した技量
高麗時代は、韓国の偉大な芸術的成果の時代でした。サックラー・ギャラリーにある観音像は、当時の木彫り師と金箔職人の技術と芸術性を物語るものです。高さ2フィートのこの像は、モミの木15個のパーツで構成されており、ホチキスと釘でまとめられています。精巧な金属製の王冠を戴き、額には水晶製の白毫があり、神の領域への第三の目または洞察力を表しています。
神聖な奉献
13世紀に観音像が完成したとき、頭と体の中に仏典や象徴的なものが納められました。この奉献行為は、信者にとって像に精神的な命を与えました。この像は、ただの彫られた木材から、神聖な存在の具現へと生まれ変わりました。
歴史的背景
仏教は4世紀に韓国に伝わったとされ、観音像が作られた頃には広く信仰されていました。この彫刻の豊かな素材と精巧な細工は、王室の一員である裕福なパトロンによって依頼されたことを示唆しています。
高麗時代、韓国は侵略と占領にさらされ、仏教彫刻を含む多くの物質文化が破壊されました。この観音像が生き残ったことは、韓国の人々にとってその永続的な重要性を証明するものです。
現代的意義
サックラー・ギャラリーでの観音像の展示は、貴重な芸術作品を鑑賞するだけでなく、韓国における仏教の歴史と意義を知る機会でもあります。この像には、フリーア|サックラー・コレクションから、観音の海の波の上の岩の上の住居を描いた巻物も添えられています。
1世紀の間に作られたこれらの2つの観音像を並べて展示することで、訪問者はこの慈悲深い菩薩の永続的な魅力と変容させる力を垣間見ることができます。
その他の見どころ
- X線撮影や材料分析などの最近の研究により、像の中には異なる時代のものが含まれていることが明らかになりました。これは、像が少なくとも一度は開封されて再奉献されたことを示しています。
- 像の3Dスキャンにより、来場者は構造や奉献資材の当初の配置を視覚化できます。
- 展示会と併せて、韓国の仏教僧が現代の奉納儀式を行い、来場者に仏教の生きた伝統に対する洞察を提供します。
「聖なる奉献:韓国の仏教傑作」は、2020年3月22日までアーサー・M・サックラー・ギャラリーで展示されています。