ジャスミン：庭と屋内を彩る芳香花
植物学的概要
ジャスミンは、モクセイ科に属するジャスミン属の総称です。200種以上が確認されており、芳香性の高い花が特徴です。つる性または低木性のものがあり、観賞用として広く親しまれています。
ジャスミンの種類
ジャスミン属には、さまざまな種類があります。主要なものを以下に示します。
- ジャスミン・オフィシナーレ（セイヨウジャスミン）：晩春から初秋にかけて、白い花を咲かせる低木またはつる性の落葉種です。
- ジャスミン・ヌディフロルム（フトモモジャスミン）：早春に黄色い花を咲かせる中型の落葉低木です。
- ジャスミン・レックス（ロイヤルジャスミン）：一年を通して白い花を咲かせるつる性の常緑低木です。
- ジャスミン・ポリアンサム（ヒマラヤジャスミン）：晩冬から初春にかけて、淡いピンク色の花を咲かせるつる性の常緑低木です。
ジャсмиンの栽培
光: ほとんどの種類は、1日に6時間以上の明るい間接光を必要とします。冬に開花する品種は、半日陰を好みます。
土壌: 水はけが良く、有機物を多く含み、pHが6.5～7.5の土壌に植えましょう。
水やり: 土壌が均等に湿るように、定期的に水をやりましょう。ただし、水はけが悪くならないように注意します。
温度と湿度: ジャスミンは、15～23℃の暖かい環境を好みます。フトモモジャスミンなど、寒さに強い品種もあります。
施肥: 庭植えの場合は、春に緩効性肥料を与えます。鉢植えの場合は、生育期に液体肥料を定期的に与えましょう。
ジャсмиンの手入れ
剪定: 樹形を整え、管理しやすくするために、開花後に剪定を行います。つる性のものは誘引した支柱まで、低木性のものは3分の2程度まで切り戻します。
挿し木: ジャスミンは、春か初夏に取った茎を挿し穂にして増やすことができます。
植え替え: 根がやや窮屈になると、花付きがよくなります。根が鉢底から出てくるか、3年に1回を目安に、一回り大きな鉢に植え替えましょう。
ジャスミンの病害虫
ジャスミンは、葉を食べるイモムシ、アブラムシ、ハダニなどの害虫に注意が必要です。病気では、フザリウム萎凋病、サビ病、葉枯病などが発生することがあります。
ジャスミンの開花促進
十分な光: 開花を促すため、十分な明るい間接光を当てましょう。
定期的な施肥: 開花に必要な栄養素を補給するため、生育期に肥料を与えます。
花がら摘み: 新しい花を咲かせるために、咲き終わった花は摘み取りましょう。
ジャスミンを鉢植えで楽しむ
ジャスミンは、適切な管理をすれば、鉢植えでも楽しむことができます。南向きの窓辺に置き、15～23℃の環境を保ちましょう。定期的に水をやり、冬は控えめにします。
その他
- 寿命: ジャスミンは、適切に管理すれば、5～10年ほど楽しめます。
- コンパニオンプランツ: クチナシやスイカズラは、ジャスミンの香りに調和して、庭に彩りを添えてくれます。
- スタージャスミン: 一般的にはジャスミンと呼ばれていますが、別の属に分類されるスタージャスミン（トラケロスペルマム・ジャスミノイデス）は、星形の花が特徴です。