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アポロ11号ソースコードが語る、月面着陸のもう一つの側面

by ローザ

アポロ11号のソースコード: 人類による月面着陸のもう一つの側面

アポロ誘導コンピューターの秘密が明らかに

1969年の歴史的な月面着陸で重要な役割を果たしたアポロ誘導コンピューター(AGC)。これはアポロ11号の月着陸船に搭載されたコンピューターだ。最近、そのソースコードがGitHubで公開され、このコンピューターを作ったエンジニアたちの思考の一端を垣間見ることができるようになった。

内部ジョークとポップカルチャーへの言及

AGCのコードには、技術的な指示に加えて、このプロジェクトにおける人間的な側面を表す内部ジョークやポップカルチャーへの言及がちりばめられている。たとえば、メインの点火手順は著名なDJ、マグニフィセント・モンタギューのキャッチフレーズにちなんで「BURN, BABY, BURN」と名付けられている。

コードの一部は「TRASHY LITTLE SUBROUTINES」(くだらない小さなサブプログラム)と名付けられ、”PINBALL_GAME_BUTTONS_AND_LIGHTS.s”というセクションにはシェイクスピアの「ヘンリー六世 第2部」からのセリフが含まれている。こうした遊び心のある要素が、宇宙船のコーディングという、本来は真面目な作業に軽妙さを添えている。

コードの中のシェイクスピア

アポロのコードの中にシェイクスピアが含まれていることは、研究者たちの興味を引いている。AGCのコードは2桁の数字で入力されており、1つは名詞、もう1つは動詞と呼ばれていた。これはシェイクスピアの戯曲の構造を反映していることから、シェイクスピアが含まれている可能性があると推測されている。

コードには「HONI SOIT QUI MAL Y PENSE」という行もあり、これはガーター勲章のモットーで、「悪意を持って考える者は恥じるべし」という意味だ。この行は、コードを批判したり改ざんしようとしたりする者たちへの警告となっている。

1960年代のギークカルチャーのタイムカプセル

各セクションの役割を説明するコード内のコメントは、1960年代のコンピューターエンジニアたちの考え方へのユニークな窓を提供している。Redditのユーザーたちはコメントを読み解き、隠された意味や内部ジョークを明らかにすることに楽しんでいる。

「月まで連れて行ってくれたコードを書いた人たちが、自分や同僚と基本的に同じであることを知り、謙虚な気持ちになりました」と、あるRedditユーザーは述べている。

現代にも通じる歴史的遺物

当初のAGCは、今日の基準では機能が限られていたが、ソフトウェア開発の画期的な出来事としての意義は疑いの余地がない。アポロのコードは古いにもかかわらず、GitHubにアップロードされたことで再び注目を集めている。

現代のコーダーはコードの中でタイプミスやその他の問題を発見しており、画期的な成果でさえ継続的な改善から恩恵を受けることができることを証明している。

アポロコードの遺産

アポロ11号のソースコードは、月面着陸を実現したエンジニアたちの独創性と決意の証である。このコードがオンラインで公開されたことで、この歴史的な出来事の背後にある人間的な要素を誰もが知ることができる貴重な機会が生まれた。

今後、新しい世代が宇宙を探査し続ける中で、アポロのコードは先駆者精神と人類の協調の力を物語るものとして残り続けるだろう。

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